右手クロスに成功し、左手を抜くことができた。立ち込んで、遠い右手カチへ。うぅ、右足ヒールを巻き込みたいけれど、ホールドのギリギリ端に乗ってる。スリップするとアキレス腱あたりをザックリいきそう。怖い。飛び降りる。そんなトライを何回か繰り返したのち……。
ヒールがきちんとホールドに乗っているか、ちらっと振り返った。下から探りながら1手ずつ進める良いスタイルで登れたのが嬉しい。
ほっ。本日のノルマ達成を祝い、カップ麺を食らう。課題名の由来を考える。岩を鷲掴みする木の根っこを足跡に見立てたのだろうか。
荷物をまとめて、次の課題へ。今日は貸切かな、と思いきや、「八海山」のあたりでS田さんがソロボルダリング中。しばし話したのち、ルンゼを詰める。遠くから、こんにちは〜ッと呼びかけられた。イグポン……じゃなくて、まい さんであった。そして、ナゾの頬被り男……じゃなくて、I井さんであった。
早春のようなピリッとした空気。一年中、これくらいの気候だといいな。
「幻獣」でこってり絞られたあと、写真で見た岩を探しに行く。
パキッ、ポキッと何者かが登ってくる気配。熊ッ!? ……じゃなくて吉田さんであった。ジーンズ姿のくつろいだスタイル。今日は登らず、スポッターモードとのこと。
掃除職人のSJさんはすでに上の岩にいた。「イグポンタ」の難解さに首を傾げつつ、SDスタートからつなげて「カミオカンデ」第二登。
お次は、もう少し上の岩でフェースからスラブ課題。吉田さんの号令のもと、SJさんが見る間に苔を掃除する。登る前から「キタロウ」「ネコムスメ」という名前が飛び交う。何か世間話のつながりであろうか。が、やがてSJさんが「この岩、キタロウに見えてきた」と仰天発言。そ、そうですかねぇ。
そうこうするうち、I井さん、初めてお会いする甲府の消防士さんが登ってきた。皆で登る。課題名「キタロウ」。吉田さん「何級ですか」。私「3級だと思います」。内容的には「イグポンタ返し」と呼んでいいかもしれません。左のラインも登る。課題名「ネコムスメ」。
この辺りはモンマルトル岩と呼ばれている。お洒落なカフェに入りたくなるネーミングであるが、そんな瀟洒な風情ではない。由来をきくと、なーるほどぉ。加えて、マントル課題が多いところも掛けてあるんだな。
激悪リップの奥にポケットがある「マントルだけインドラ」課題など冷やかしつつ、午後は暮れた。私は早仕舞いしたけれど、そのあとA田さん(実は朝から来てた)が懸案の課題を手中に収めた模様。脱いで本気出した甲斐がありましたね。
あ、そうだ。写真で見た岩であるが、ダメ元で吉田さんに見せてみた。暗く、写りが悪いので無理だよな。……と思ったら、
「あぁ、この岩ですか。うんぬんかんぬん。この岩からン十メートル下ったところに、こんな登れそうな岩もありますよ」
流石です。
甲府の最高気温29℃。夏日を通り越して真夏日になりそうな勢いだ。それでも湿度は20%くらいの予報なので意外と快適かもしれない、と右顧左眄しながら。
うぁー、蒸す。身体がダルく、闘争心が湧いてこない感じ。
「幻獣」は右手をクロスできたものの、左手を抜く余裕がなく。今日もおあずけ。
まい さんとI井さんはボルダー&ルート。
吉田さんは午後から出動。夕方涼しくなってからプロジェクトを攻めるべく。まい さんが初登したばかりの「イグポンタ」(3級)をSDでやってみる。サクっと登るつもりが、立ちスタート部分で難儀した。ムーブを確認したのち、つなげトライ。
吉田さんが「カミオカンデ」と命名。2級くらい。この岩を発見するのが最大の核心と思われます。
I井さんのプロジェクト トライを見学。ド迫力のカンテをヒールの掛け替え、足ブラを駆使して登っていく。
抜け口近くの丸いオブジェが気になる。いまは空き家となったスズメバチの巣である。
16時過ぎて、吉田さんのプロジェクトへ。今日は初ビレイを仰せつかる。なので写真が撮れなかった。なんだかとっても良いムーブが見つかったようです。
あとは薄暗くなるまで皆で未登ボルダーに波状攻撃をかける。皆さんお世話になりました〜。
雨上がりで気温が高く、森の中はやや蒸す。
スローパーの岩はしっとり。苔は青々。
それでも1回トライしてみた。ずるっと指が吐き出される。
ダメだこりゃ。本日は封印なり。
周辺の岩を散策しながら降りる。反対側の沢筋寄りで、牙岩を発見。
見た目はさほど悪くなさそうだけれど、やってみると激悪のパターン。
左手カンテをコメカミに青筋立ててピンチ持ち。風化した結晶が指先でジャリジャリと砕けるので握りにくい。
右手のカチがポロリと欠ける。あいたた。面積が広くなった代わりに、掛りは甘くなった。プラス・マイナス・ゼロだろうか。
うーむ。これをやり続けると、ボウズ濃厚だなぁ。
と言うわけで、初登されたばかりの「マジンガーZに出てきそうな名前の課題」を退治せんと。あ、あれは機械獣か。
これは現代のニーズに合った傾斜とホールドですねー。吉田さんは脆さが気がかりらしく、「Kさんの体重だと……そっと登ってください」とのこと。とりあえず抜け口のムーブを確認しよう、と思いきや、途中からズルして登れない仕様になっている。足元にマット3枚くらい積めば別だろうけど。地ジャンでズル、も叶わず。左手ガストン気味のカチを捉えても、1秒くらいしか浮いていられない。どうやら力まかせムーブではダメだ。グレードのわりに岩の発見から初登まで時間がかかったらしいので、きっとムーブを発見するのが肝なんだろう。